OFFICE[オフィス]株式会社佐藤総合計画 本社オフィス

みんなで知恵を出し合う一体感のあるオフィス

佐藤総合計画

佐藤総合計画左/建物の中央(3Fから7F)を貫く吹き抜けとその周囲に設けた交流空間は、「コミュニケーションボイド」と名付けられた。打ち合わせスペースのほかにライブラリー機能などもあり、人が自然に集まる空間になっている。
上/吹き抜けに面した「コミュニケーションボイド」のオープンミーティングスペース。家具は白を基調としたモノトーンで構成されている。


「AXSスマート化」のもとに 働き方を見直して意識を改革

1945年に創立した株式会社佐藤総合計画(AXS)は、建築や都市、環境の設計を行っている総合設計事務所。東京ビッグサイトや天津オリンピックセンタースタジアムなどの設計でも知られている。創立70周年の節目を迎え、東京・両国の AXS本社ビルでは「AXSスマート化プロジェクト」が進められた。その第一弾として、ワークプレイスを刷新。同時に、社員の意識改革のために、働き方の全面的な見直しを行った。デザインに携わる会社らしい、スマートなワークスタイルとワークプレイスの実現をめざした結果、「コミュニケーションボイド」と呼ばれる吹き抜け周りのオープンな空間をはじめ、白を基調とした明るく一体感のあるオフィスが生み出された。

佐藤総合計画3Fの執務エリア。個人のデスク幅は従 来の1800Wから1400Wへと縮小したが、スペースを有効に使い、天板が昇降するワゴンを活用しながら簡易な打ち合わせをするシーンも見られる。

多様性のある空間から 多彩なイマジネーションを創造

Face to Faceでなくても仕事のできる時代だからこそ、空間や場の持つ意味をしっかりと考えたい。そのためにも、オフィスを単なる「作業の場」とするのではなく、「知恵を出し合う場」として、顧客の多様な要望に応えたい。そんな想いも込められた「AXSスマート化プロジェクト」について、取締役常務執行役員である笠井隆司氏は、こう語った。「私たちが今回取り組んだのは環境のリニューアルというよりも、まずは働く意識を変えることでした。社員の自主性を育てて成長を促すために、スマートなオフィス空間と、スマートな働き方を実現しようとしたのです。そこで2012年頃から、若い人達を中心とした有志を集めて、スマート化委員会を立ち上げました」

佐藤総合計画「コミュニケーションボイド」

佐藤総合計画5Fの監理部門のフリーアドレス席。


働き方を変革しようとした時に、まず考えたテーマがペーパーレスだった。また、ICTの変革のため、2012年に全社員に支給していたスマートフォンが、まだ効果的に使えていないという状況もあった。そこで、快適なICT活用を考えるとともに、オフィスの快適化を推進。今までは個人の資料が10fm以上あったものを3.5fmにまで減らし、空間の美化もはかった。 「私たちはデザインを提案する会社として、自分たちが居る場所にも提案力がなければいけない、イマジネーションが生まれてくる洗練された空間にしたいと考えました。そのためにも、ペーパーレスへの取り組みは重要でした。そして、もう一つ重要だったのは、ペーパーレスに至るまでのプロセス。全員で取り組むことによって、社員の意識を変えていくことができたと思います」(笠井氏)。

佐藤総合計画3Fにある大きなS字のテーブルは、同社の頭文字を表し、オフィスのシンボルになっている。

佐藤総合計画3Fには上下昇降テーブルが設けられ、スピーディーな立ち会議などに活用されている。高さを調節して目線を変えながら、模型を検討することもできる。


佐藤総合計画2Fに設けられたライブラリーには、建築雑誌のバックナンバーや洋書などの専門書が並んでいる。

佐藤総合計画大規模開発を担当する設計室の「模型コーナー」。同じ「模型コーナー」でも、設計室ごとの特性によってレイアウトや使い方を変えている。


創立70周年の節目でもあり、企業文化を大切にすることも考えた。同社の大きな特徴は「多様性」。さまざまな能力を持った人が部門を越え、力を合わせて、一つのプロジェクトに向かって行く。自由度と拡張性に配慮しながら創造した、多様性のあるワークプレイスは、多彩なコミュニケーションの機会を生み出している。「豊かな人間のための環境」を追求する会社が、自らのアクティビティで、その確かな方向を示していると言えるだろう。

佐藤総合計画窓側に面した明るいリフレッシュコーナーは、ランチの場としても利用されている。

佐藤総合計画「コミュニケーションボイド」


佐藤総合計画エントランスから2Fの受付や会議室へ続く空間は、立体的で開放感がある。

佐藤総合計画1995年に竣工した、7階建ての
本社オフィス。オフィスの全面
リニューアルに伴うワークスタ
イル の変革が行われた。


DATA

所在地
東京都墨田区横網2-10-12 AXSビル
オフィス対象面積
3,266m2
オフィス対象人員
248名
インテリア竣工
2015年7月
オフィス設計・デザイン
岡村製作所
長谷川 修、園山 篤志
  • bp vol.21掲載(2016.03発行)