MUSEUM[美術館・博物館]Ten Thousand Years of Recorded Information
富士ゼロックス R&Dスクエア

記録の歴史をたどることのできる展示施設

富士ゼロックス円形に配された展示空間。中央は6世紀初頭のアンティオキアの教会にあった床モザイクで、重量は200kgにおよぶ。

人類が培ったメディアの歴史

横浜・みなとみらい地区に、2010年に開設された富士ゼロックスの開発研究拠点「富士ゼロックスR&Dスクエア」。その3階に展示される「Ten Thousand Years of Recorded Information」は、人類の歴史とともに発展してきた"記録"の足跡を見ることができるもので、展示資料は米・ゼロックス本社のコレクションの一部である。

人類が記録をするために、様々な時代・地域において行ってきた「穿つ」「刻む」「描く」「刷る」といった行為、いわば古代よりのメディアの歴史がここには展示されている。

旧石器時代の壁画が数多く残る「ペッシュ・メルル洞窟の手形」(紀元前1万8000年頃)に始まり、古代アッシリアの楔形文字が彫られた粘土のタブレット、あるいは古代エジプトのパピルスなど、人類が「伝える」ためにしてきたあらゆる努力――その進化の経緯を概観することができる。

富士ゼロックス

富士ゼロックス左/ケース内の展示物はLED照明で照らされる。背面のガラスには、展示物をモチーフにしたカリグラフィーが施される。
上/展示全景。富士ゼロックス R&Dスクエアのエントランスホール内にある。


展示ケースの製作を担った岡村製作所では、非常に貴重なこれら展示資料のため、気密性、耐震性などに優れた設計をしている。また、企業のエントランスホールに設置されることからも、一般的な博物館向けとは異なる先進的な意匠をあえて持たせ、間接光などで浮遊するようなイメージを与えている。

また、ここではゼロックス社が開発した現在のパソコンの起源とも言える70年代のプロトタイプ「Alto」や、ゼロックス複写機の原型となった世界初の電子写真式複写機も同時に展示されていて、非常に興味深い。

富士ゼロックス 1948年、ゼロックス・コーポレーションの前身であるハロイド社が発表した世界初の電子写真複写機「チェスター・カールソン・モデル」。

DATA

所在地
神奈川県横浜市西区みなとみらい6丁目1
富士ゼロックス R&Dスクエア3階
展示設計・施工
凸版印刷
トータルメディア開発研究所
開館時間
平日午前10時~午後5時
  • bp vol.2掲載(2011.05発行)