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2017.01.06  取材・文/山下久猛 撮影/守谷美峰

夏は「あまちゃん」に

5月からは刺し網漁がメインに。6月1日から素潜り漁が解禁になります。獲物はサザエやアワビ。特にアワビは単価が最も高いので気合いが入ります。8時くらいに出港して5、6時間ほど行います。普段は水深5メートルくらいのところで漁をしています。解禁してすぐはまだ深く潜れないので徐々に体を慣らしていき、8月くらいになると深く、長く潜れるようになるんですよ。今は1回の最長潜水時間は2分、最大13メートルくらいまでは潜れます。漁の中で、この素潜り漁が一番好きですね。体一つでできるし、網掃除などをしなくていいので。何より海の中は楽しいんですよね。素潜り漁は9月一杯まで行います。並行して6、7月はイセエビ漁を、8月1日から刺し網漁を行います。

最も単価が高いアワビ
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最も単価が高いアワビ

サザエもたくさん獲れる
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サザエもたくさん獲れる

畠山晶-近影9

イセエビが穫れたら思わず笑顔に


おいしいと評判の葉山のタコ

おいしいと評判の葉山のタコ

タコ壷漁も1年中やっているのですが、夏場がタコの最盛期。あまり知られていないのですが、葉山のタコは評判がよくて高く売れるんですよ。ですので夏場は素潜り漁メインでタコ壺漁と刺し網を並行して行うという感じですね。

10月からはまた刺し網漁メインで、水中の透明度が上がるので船の上からサザエを狙います。また、たまに夜、アオリイカを釣りにも出かけます。

獲った魚の行き先

──獲った魚はどうするのですか?

基本的に契約している飲食店にすべて卸しています。漁が終わると車で店に獲れた魚貝を持って行きます。また、別の飲食店から○月○日に○○がほしいという注文が入ったらすぐに網から上げずに、その日までにためておきます。


──魚市場にはもっていかないんですか?

葉山には魚市場がないので基本的にはもっていかないですね。たくさん獲れたときは横須賀の市場にもっていきます。それでも年に2、3回くらいしかないですね。飲食店に卸す値段は、横須賀の魚市場の卸値と同じにしています。

日々のスケジュール

──日々のスケジュールは季節によって違うのでしょうか。

そうですね。普段は5時くらいに起きて、5時半には港に行くようにしています。漁をする時間はだいたい1~2時間程度。帰港して刺し網の掃除や修理、獲物の飲食店への配達などいろいろやることが多いんですよ。13時以降に網を仕掛けにまた海へ出ます。その後、犬の散歩や家事をして、16時くらいからアルバイト先のカフェに出勤します。


──カフェにはどのくらいの頻度で出勤してるんですか?

畠山さんがアルバイトをしているカフェ「カラバシ」にて

畠山さんがアルバイトをしているカフェ「カラバシ」にて

だいたい週に3、4日ですね。ワカメ漁が始まるとシフトは週に1、2くらいに減らします。カフェでは基本的にキッチン担当で、料理を作っています。毎週水曜日は自分で獲った魚を料理してお客様に出しているんですよ。それ以外の日は定番メニューを作っています。最近ありがたいことに常連のお客様が増えて、遅いと0時過ぎまでカフェにいて、寝るのが1、2時くらいになる日もけっこうあるんです。


──ではかなり毎日忙しいんですね。

はい。いろいろとやることがたくさんあって(笑)。でもそもそもあんまりのんびりできない性格なので、別に苦にはなりませんね。(以下、後編に続く)


インタビュー後編はこちら

畠山 晶(はたけやま あきら)

畠山 晶(はたけやま あきら)
1985年神奈川県出身。漁師(葉山町漁業協同組合正組合員)

神奈川県立三崎水産高等学校(現・神奈川県立海洋科学高等学校)を卒業後、ダイビングショップのスタッフ、母校の教員、結婚式の司会業などを経て2011年、葉山のベテラン漁師・矢嶋四郎氏に弟子入りし見習い漁師に。2013年、 葉山町漁業協同組合の準会員、2015年、葉山町漁業協同組合の正会員として認められ、葉山漁協で初にして唯一の女性漁師に。年間を通して海に出て、刺し網漁、ワカメ漁、潜り漁などを行っている。2013年12月から漁師仲間に呼びかけて、自分たちで獲った魚介類を販売する朝市を真名瀬港で開始。好評を博している。

初出日:2017.01.06 ※会社名、肩書等はすべて初出時のもの

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