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2015年度 特集
特集2

エネルギー効率向上による環境負荷の低減富士事業所での地下水熱利用の取り組み

静岡県御殿場市、富士山の広大な裾野に位置する富士事業所。年間を通じて温度が一定で豊富な地下水を、製品の塗装工程の空調システムと前処理において有効利用することにより、エネルギー利用効率を高め環境負荷の低減に結びつけています。

メインイメージ
富士事業所の概要
所在地:
静岡県御殿場市大坂102-1
操業開始:
1970年1月
施設:
敷地85,763m2、建物51,881m2
生産品目:
店舗用陳列什器、間仕切製品、
物流システム機器

富士事業所では、スーパーマーケットをはじめとする店舗に使用される陳列棚等の製作を行っています。同事業所で製作される多くの製品が、鉄板を加工し塗装するプロセスを経て生産されています。塗装工程では、前処理水の昇温や乾燥、塗料吹付後の焼付に大量の熱を必要とし、製品を吊って運搬するハンガーの運転や各種薬剤の循環ポンプには、多くの電力を使用します。これまで、エネルギー利用効率の向上と温室効果ガス排出削減のために、主要なモーターのインバーター化や高効率な照明器具の導入など、継続的に取り組みを進めてきました。2013年には、燃料をLPG*1からLNG*2に転換することにより、温室効果ガスの排出量の大幅な削減に結びつけました。
富士事業所がある御殿場周辺は、富士山の恩恵を受けた豊富な伏流水が流れており、同事業所においても工業用水や生活水として地下水を利用しています。2014年には地下水熱の利用について検討を進め、塗装工程の冷房設備改修に取り組みました。

  • *1 LPG :液化石油ガス。プロパン(C3H8)とブタン(C4H10)を主成分とする。
  • *2 LNG:液化天然ガス。メタン(CH4)を主成分とする。

塗装工程の冷房設備改修により得られた効果

2015年1月に稼働開始したシステムは、塗装ブースの空調設備を温度が低く多くのエネルギーを消費していた空冷式ヒートポンプから電力消費量の少ない水冷式に切り替えました。また、冷却水に地下水を利用することでエネルギー利用効率を向上させました。さらに、室外機で熱交換をして発生する温水を塗装の前処理に二次利用することでLNGの使用量削減が可能となり、温室効果ガス排出量の削減につながりました。その他、建屋内へ排出する熱の削減やメンテナンスの安全性・作業性の向上を図ることができました。静岡県では、地域協働による低炭素地域づくりに向け、富士山周辺の豊富な地下の熱を自然エネルギーとして冷暖房等に活用する熱交換システムの普及を促進しています。富士事業所の取り組みは、こうした施策と連動したかたちで進めているもので、地域でも注目を集めています。富士事業所で蓄積したノウハウは、オカムラグループの生産事業所で活用していく予定です。

図

地下水の有効活用により
2つの側面から環境負荷を
低減

塗装ブースの空調システムを空冷式から水冷式のヒートポンプに転換することにより、消費電力を約50%削減できました。また、これまで塗装前処理の最終水洗には約15℃の水を使用していましたが、空調システムの室外機から排出される約30℃の温水を有効活用することにより、塗装部品等の乾き度が改善され、水切乾燥炉の昇温に使用するLNGが削減できるなど、さらに大きな環境負荷低減効果を生み出しました。
今後は、この技術の社内共有を図り、さらなる地下水熱利用の展開を進めていく予定です。

富士事業所
生産技術担当
西島 進

環境面と同時に品質、
コスト、作業環境面でも
大きな効果

今回のシステム導入で、エネルギー利用効率の向上による温室効果ガス排出削減と同時に、塗装品質の安定化、エネルギー使用量の減少によるコストの低減、さらには作業環境の改善や機器の清掃等における安全性・効率性の向上など、多くの副次的効果が生まれました。
現状では、ヒートポンプの室外機から発生する温水のすべてを有効に利用できている状況ではないので、他の塗装ラインでの利用などを通じて、エネルギーと水の利用効率をさらに高めていきたいと考えています。

富士事業所
ストア機器製造部長
橘川 史朗