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2014年度 特集
特集1

先進技術でエコファクトリーを実現グループをけん引する中井事業所

富士山と丹沢山地を間近に望む足柄に位置し、最先端の生産機能をもつ中井事業所。操業開始から17年目を迎え、オカムラグループの環境負荷低減に向けた取り組みをけん引し続けています。

メインイメージ
中井事業所の概要
所在地:
神奈川県足柄上郡中井町境390番地
操業開始:
1998年4月
施設:
敷地53,890m2
建物35,388m2(90m×180m)
生産品目:
店舗用陳列什器

オカムラグループは、日本国内に11カ所、タイに1カ所の生産事業所を有し、多種多様な製品を生み出しています。
中井事業所は神奈川県中井町の工業団地「グリーンテクなかい」に立地し、コンビニエンスストアをはじめとする店舗に使用される陳列棚の棚板などの主要な部材を生産しています。近隣の富士事業所、御殿場事業所と連携して効率的な生産を行うとともに、地域の配送拠点としての役割も担っています。
中井事業所では「生産効率を追求した無人化、自動化工場」「省エネ技術で環境負荷低減を追求した製造ライン」をモットーに、先進的な生産活動をすると同時に、生産プロセスの各段階において環境負荷低減に取り組んでいます。敷地内には事業所建設前からあるミカン畑などの緑が広がり、地元の中井町や工業団地でつくる環境保全協議会のメンバーとして活動するなど、地域との共生にも努めています。

写真店舗用陳列什器

生産工程と環境配慮
  1. 写真材料:大型コイルからのむだの少ない生産

  2. 写真プレス:近隣への騒音を抑えるためにオカムラ製の防音板を設置

  3. 写真溶接:有害な煙の発生が少ないスポット溶接を多用

  4. 写真防錆処理:ヒートポンプを活用した設備で、温水により表面の油脂をとり(脱脂)、薬品で防錆

  5. 写真塗装:溶剤を使用しない粉体塗料を使い、熱を加え焼き付けて乾燥

  6. 写真梱包:自動で梱包・管理するオカムラ製の倉庫の管理システム

生産効率の向上と同時に環境負荷低減を追求

中井事業所は、オカムラグループの中でも最新技術を導入した生産事業所です。無人化や自動化を通じた効率化の部分と環境負荷低減において、他の事業所のモデル事業所になれるよう、常に新しい取り組みにチャレンジしています。生産効率の向上や省エネルギーへの対応を通じて、エネルギーコストの低減と同時に環境負荷低減を図っており、今後もトライ&エラーを繰り返しながら、取り組みのレベルを高めていきます。

写真中井事業所長

緒方 仁
  • * 2014年3月時点

水を大切にする節水効果84削減

  • * 節水効果=(1- 水資源投入量/ 水の循環使用量)×100

水の循環利用のイメージ図

ろ過装置ユニットの写真

雨水や生産に使用した水を集めてろ過した上で貯水槽に蓄え、トイレや散水用水、コンプレッサー循環水などに利用しています。また、塗装の前処理においても、水を循環利用するシステムを導入しています。蒸発により減少した分や、トイレなどで使用され生活排水となった分のみ上水を補充することで、水資源の保全に貢献しています。

大気汚染やいやなにおいを抑制する有機溶剤使用ゼロ

紛体塗装設備の写真

塗装工程では大型の粉体塗装設備を導入し、粉体塗料による処理を行っています。揮発性の有機溶剤を必要とする液体塗料と異なり、粉末状の色の粒子をそのまま定着させるため、大気汚染や臭気発生などの環境への影響が抑制されるとともに、火災リスクの低減にもつながります。

資源を大切にする100リサイクル

事業活動により発生する廃棄物は、分別を徹底し、外部の事業者を通じてリサイクルしています。用紙類や鉄くず、汚泥などは再生品の原料になり、マテリアルリサイクルが困難な廃油や廃塗料などはセメント工場で熱利用されます。こうした取り組みにより、2001年度にゼロエミッションを実現しています。中井事業所での取り組みをモデルとし、2004年度にはオカムラの全生産事業所でゼロエミッションを達成しました。

  • * ゼロエミッション:工場や物流センターから排出される産業廃棄物の最終処分量をゼロにすること(オカムラグループにおけるゼロエミッションの定義による)

エネルギーの効率的な利用を徹底する

商品画像「OFFICE NAVI EcoBIZ
(オフィスナビエコビズ)」

夜、中井事業所の外壁には「オカムラ」の文字が光ります。2012年、この看板はネオン管からLEDに切り替わり(写真1)、屋上に設置された太陽光発電システムでは、看板の消費電力相当分を超える量を発電しています(写真2)。
中井事業所では、コンプレッサーのインバーター化、事業所内外の照明のLED化(写真3)など、さまざまな視点から省エネルギーに取り組んできました。また、再生可能エネルギーの活用として太陽光発電を導入しており、2014年には発電パネルを追加して発電量の増加をめざします。
さらに、熱エネルギーを効率的に利用するために、2013年秋にヒートポンプを導入しました(写真4)。中井事業所では従来、塗装の前処理の脱脂(鋼板表面の油脂の除去)や防錆処理に必要な温水をガスボイラーでつくっていましたが、ヒートポンプを併用することでエネルギー消費を大幅に削減しました。
太陽光発電やヒートポンプの運転状況は「見える化」され、データに基づき効率的な運用を図っています。太陽光発電の監視システムにはオカムラの製品「OFFICE NAVI EcoBIZ(オフィスナビエコビズ)」を利用しています。
中井事業所で蓄積したノウハウは、各地のオカムラグループの生産事業所に展開されています。

  • * 冷媒の圧縮・膨張により、少ない投入エネルギーで空気中などから熱を集めて、大きな熱エネルギーとして利用する技術のこと。エアコンや冷蔵庫、給湯器などにも利用されています
(1)照明看板のLED化で年間消費電力量
-66%
(2)屋上の太陽光発電システムでの発電量
-73%
(3)天井照明のLED化で年間消費電力量
看板での使用電力相当量
(4)ヒートポンプ化で使用エネルギー量
-21%~-31%

座談会:ヒートポンプで広がる省エネルギーの可能性

中井事業所で高い省エネルギー効果を示したヒートポンプについて、その機能と今後の展望をヒートポンプの普及に取り組む一般社団法人日本エレクトロヒートセンターと一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センターの専門家の方々にお聞きしました。

写真

  • 一般財団法人 ヒートポンプ・蓄熱センター(HPTCJ)
    業務部
    宇都宮 博 氏
  • 一般財団法人 ヒートポンプ・蓄熱センター(HPTCJ)
    業務部
    岡成 聡 氏
  • 一般社団法人 日本エレクトロヒートセンター(JEHC)
    業務部
    柳樂(なぎら)晃良 氏
  • 株式会社 岡村製作所
    中井事業所
    杉山 誠
岡成(HPTCJ):
ヒートポンプは、非常に高い省エネルギー性能をもっていますが、短時間で大量の温熱を生み出したりすることが得意ではありません。その点に強いボイラーとヒートポンプを組み合わせ、両方のメリットを活かしているのが中井事業所のシステムだと思います。
柳樂(JEHC):
中井事業所では循環加温という、温水を循環させながら最高90℃まで加温することができる最新の循環加温式ヒートポンプを使用されています。特徴的なのは、機械本体を工場の中に置いてあることで、外気温度に左右されにくく、工場のラインから発生する廃熱も上手く利用されています。また、ヒートポンプと温水を利用する設備がすぐ近くにあり、配管での熱ロスも少ないので、より高い省エネルギー効果を生むことができると考えられます。
杉山(オカムラ):
現在、ヒートポンプとボイラーは7:3くらいの割合で使っています。生産設備の立ち上げや温水の温度が大幅に低下したときにはボイラーを使って温め、一定の温度になった段階でヒートポンプに切り替えて温度を維持していくかたちです。中井事業所は24時間稼働なので、温水を一定の温度に保つのにヒートポンプは適しています。前年度比40%の省エネルギーを目標に運転方法を試行錯誤しているところです。
柳樂:
産業用途にヒートポンプを使う場合、熱をどこからどこへ移動させるか、製品の品質への影響はないかなど、商業施設や病院などの大規模施設で使用する場合に比べて検討すべき事項が非常に多いので、試行錯誤しつつ、最適な運転方法を探っていくことになると思います。中井事業所では一般的な省エネルギー施策はほぼ実施され、新しい領域としてヒートポンプ導入にチャレンジされています。課題をクリアしながら、さらなる省エネルギーに取り組んでいくということが大きな成果に結びつくとともに、技術・ノウハウの蓄積にもつながると思います。
杉山:
まずは当初想定した省エネルギーの効果が安定的に達成できるよう、さまざまな視点から工夫を続けていくことになると思います。オカムラとして初めてのヒートポンプ導入なので、ノウハウの蓄積を進め、他の生産事業所にも展開していきたいと考えています。
宇都宮(HPTCJ):
ボイラーではどうしてもエネルギーロスが出ますので投入したエネルギーを100%使うことはできませんが、ヒートポンプは空気や水などの熱を利用して、100%以上の効率が出せる省エネルギー技術です。日進月歩で技術革新が進んでいますので、将来的には、より高温で大容量化したものが開発され、用途も広がっていくことが期待されます。