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2013年度 特集

特集1 地域木材の利用を広げる

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オカムラグループでは、森林から産出される木材をオフィス家具などの製品の材料や素材に使用しており、木材利用はグループの事業活動において自然環境や生物多様性と最も関わりの深い部分であると考えています。

現在、海外の熱帯雨林などでは森林破壊が進み、国内では森林荒廃が進んでいますが、こうした状況を改善する有効な手段のひとつが国産材・地域材を持続可能なかたちで利用していくことです。ここでは、オカムラグループの国産材・地域材利用の考え方と取り組みについて紹介します。

ACORNとは?

オカムラグループは、事業活動と生物多様性の深い関わりを認識し、生物多様性の保全と資源の持続可能な利用をめざすアクションを「ACORN(エイコーン:英語で“どんぐり”の意)」と名づけ、グループ全体で推進しています。

「ACORN」の3つのアクションプラン

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健全な森のサイクルのために

国内の森林において約4割という大きな割合を占める人工林の荒廃をくい止め、健全な状態に保っていくためには、木を「植える」「育てる」「収穫する」という長期にわたるサイクルを確実にまわしていくことが必要です。こうしたサイクルを持続させていくうえで、育て、収穫する過程において、木材を大切な資源として活用していくことが欠かせません。オカムラグループでは、森を育てる過程で発生した間伐材、収穫の際の主伐材を利用して製品化し、広く販売することで、経済効果を生み出し、森林整備の役割を担う林業の活性化を通じて健全な森づくりに貢献しています。

人工林の健全なサイクル

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国産材を利用した家具「HAGI」シリーズ

主伐によって収穫した木材や、間伐によって得られた木材を有効に利用するために、オカムラは国産材・地域材の特性を活かしたデザイン性の高い木製家具「HAG(Iハギ)」シリーズを開発しました。各地域で産出される多様な木材に対応可能であり、オカムラでは同シリーズの展開により、木質資源によるオフィス空間の普及を推進していきます。

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国産木材・地域材利用の家具「HAGI」シリーズを発表

地産地消と地域経済の活性化に貢献

地域の森林の適切な整備と、そこから産出される木材の利用促進は、多様な環境保全機能の維持に加え、地元の林業の再生など地域経済の活性化にも寄与します。オカムラは、木質資源の利用において地域とのつながりを重視し、各地域の森林組合や加工業者との連携を強化し、オカムラとして木材利用を進めるとともに、地域の産業の発展に結びつけています。

鹿児島県・熊本県との取り組み

森林が県土面積の6割以上を占める鹿児島県と熊本県には、良質なスギ林が豊富に存在しています。そこで生育した木材を使用し、オカムラの持つノウハウを活かして、デザイン性と機能性を兼ね備えたオフィス家具を開発しました。地域の工場と密接な連携体制を構築し、地域の中で製材・二次加工を行う、メイドイン鹿児島、メイドイン熊本のオフィス家具を製品化し、普及に努めています。

「HAGI/Kagoshima」

「HAGI/Kagoshima」は、鹿児島県産材を使用した製品の開発・普及を目的に鹿児島県が進めるプロジェクトにオカムラが参画し、同県との協働により製品開発を行いました。デスクシステムをはじめ、カウンターや収納、ベンチといった多様なアイテムを取り揃えており、オフィスや公共空間などのさまざまな分野での導入が進んでいます。

写真 「HAGI/Kagoshima」納入事例 鹿児島銀行様 中央支店

「mo・ku・ri/Kumamoto」

「mo・ku・ri/Kumamoto」は、熊本県農林水産部林業振興課の委託事業により、熊本県産材を用いて開発された製品で、2013年3月に発売を開始しました。地域の木工家具工場での製造しやすさをテーマに、スギ特有の木理(もくり)を活かしたベーシックファニチャーシリーズです。

  • ※木理(もくり):木の断面や鉋削面に現れた木材を構成する組織の配列や、大小、性質などに基づく材面の状態。木目。

写真「mo・ku・ri/Kumamoto」 オカムラ・ガーデンコート・ショールームでの展示

【納入事例】徳島県吉野川市庁舎

徳島県北部、吉野川の南岸に位置する吉野川市の市庁舎のカウンターには、吉野川市産のヒノキが活用されています。このカウンターは、吉野川市有林で生育したヒノキを庁舎内で利用したいというお客様のご要望を受け、オカムラが提案、製作したもので、吉野川市の阿波麻植森林組合から供給されたヒノキ材をカウンターの幕板として加工しました。多くの市民の方が訪れる市庁舎という空間にヒノキの木目が映え、好評価を得ています。

写真 徳島県吉野川市庁舎 市有林産材利用のカウンター

第14回 グリーン購入大賞を鹿児島県が受賞

オカムラと鹿児島県が協働により行った県産材を使用したオフィス家具の開発・普及の取り組みにより、グリーン購入ネットワーク(GPN)※1が主催する「第14回グリーン購入大賞」において、鹿児島県が大賞・環境大臣賞を受賞しました。鹿児島県が森林整備や地産地消による地域経済の活性化を意図し、オカムラのほか、森林組合・木材協会などと協力して製品開発※2を行ったことなどが評価されました。また、県産材を使用した質の高いオフィス家具づくりに向け、オカムラ・鹿児島県を含む関係4団体※3が「鹿児島県産材パートナー宣言」を締結しており、継続性のある取り組みを行う姿勢も高く評価されました。

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  • ※1 グリーン購入ネットワーク(GPN):グリーン購入(製品やサービスを購入する際に、環境を考慮して必要性をよく考え、環境への負荷ができる限り少ないものを選んで購入すること)の取り組みを促進するために1996年に設立された、企業・行政・消費者のネットワーク
  • ※2 HAGI/Kagoshimaシリーズの開発
  • ※3 関係4団体:鹿児島県森林組合連合会、社団法人鹿児島県林材協会連合会、鹿児島県、オカムラ

「第14回グリーン購入大賞」岡村製作所とのプロジェクトによる県産材を使用したオフィス家具の開発・普及により、鹿児島県が大賞・環境大臣賞を受賞

木材を活用し、心地よいオフィスや店舗空間を実現

天然の素材である木を使った家具は、スチール製やプラスチック製の家具とは異なり、木材特有の温かみと味わいを持っています。オカムラは、民間企業のオフィスや店舗などの空間における木製家具の利用を提案し、ぬくもりのある心地よい空間づくりのお手伝いをするとともに、こうした取り組みを通じて、お客様と一緒に健全な森づくりに貢献していきます。

地域材を活用する

株式会社京都銀行 様

株式会社京都銀行様の聖護院支店は、街の景観に調和した外観が特徴の店舗で、環境配慮の一環として京都府産材が店舗内に利用されています。ご相談を受けたオカムラが、地元産のヒノキやスギを利用したベンチやカウンター、地元産のタケを利用したカウンターパネルと光天井などを提案し、採用いただきました。木のぬくもりを感じ快適に過ごせるよう配慮された店内は、地域のお客様から好評を得ています。

また、2012年11月にオープンをした府庁前支店には、オカムラが製作した京都府産材を利用したカウンターやロビーベンチが採用されており、同支店店舗は2013年2月、京都府内の森林・林業の発展につながる功績を表彰する、「府内産木材活用優良施設コンクール」にて知事賞を受賞しました。

株式会社京都銀行様は、今後開店予定の店舗においても積極的に府産材を採用し、地域材の利用拡大に努めていかれる予定です。

写真 京都銀行 聖護院支店の様子

写真 ロビー内のソファ、ベンチ、記載台、雑誌架は 京都府産ヒノキ、スギを使用

社有林の資源を活用する

株式会社フジトランス コーポレーション様

愛知県名古屋市に本社を置く株式会社フジトランスコーポレーション様は、北海道岩内郡共和町に「フジップの森」と呼ばれる広大な森林を所有されています。2012年の本社新築に際し、オカムラにご相談をいただき、この社有林で生育したシラカバ材を利用した役員用応接セットを導入されました。

「フジップの森」から伐採され、製材された材を有効に活用するために、オカムラから空間や家具に関するさまざまなプランを提案し、お客様との打ち合わせを重ねました。オカムラが蓄積してきた国産材利用家具製作のノウハウを活かして、限られた材から無駄のない材料取りを行い、シラカバ材のよさを引き出した役員用応接家具セットを製作、納品しました。

「フジップの森」の木材を用いた応接セットは、ぬくもりを感じさせる応接室を演出すると同時に、訪れる多くのお取引先様にフジトランスコーポレーション様の社有林への取り組みを伝えています。

写真 社有林「フジップの森」から伐採、製材された材で製品化

写真 シラカバ材を利用した応接セット

VOICE 01社会課題解決型の事業として広がっています

環境負荷低減や快適な執務環境の希求といった社会情勢の変化によって、公共施設などで木製家具が利用されるようになっていますが、事務所やオフィスでは木製家具を目にすることは多くないのが現状です。そこで、県産材利用を推進している鹿児島県では、関係者へのヒアリングを行いました。その結果、木製家具導入に対する関心はあるが詳細情報の不足により導入にいたらない、という声が多くあがってきたのです。これを受けて、製品の開発やカタログの製作をはじめとする官民連携のプロジェクトを発足させました。

「HAGI/Kagoshima」シリーズでは、オフィス空間のすべてを木製家具で統一できる豊富なバリエーションを用意し、カタログには製品の詳細な情報を掲載しました。また、製品1台購入につき苗木1本を寄贈できるという仕組みを確立したことも、導入の大きな動機づけになっているようです。

写真鹿児島県 環境林務部下新原 博也 様

VOICE 02地球温暖化を抑制し、海を育むための森づくりを実践しています

総合物流企業であるフジトランスコーポレーションは地球温暖化抑制に寄与するため、北海道岩内郡共和町に「フジップの森」と名づけた約177万m2の森林を保有し、森づくり事業を通じて環境保全活動や植林活動を行っています。

創立60周年のプロジェクトである本社新築の際には、名古屋の本社でも「フジップの森」を感じてもらいたいという思いから、「フジップの森」の間伐材を新社屋の役員応接室の家具に利用しました。今後は社員が日常的に使用する空間にも間伐材を活用し、「フジップの森」を身近に感じてもらいたいと考えています。

海に注ぐ川を豊かにするために森づくりを行うことが私たちのフィールドである海を育むことにつながる、という考えに基づき、地球温暖化抑制に貢献する森づくり事業に今後も取り組んでいきます。

写真株式会社フジトランス コーポレーション
総務部管財課 課長
長谷部 純二 様

VOICE 03木のぬくもりに、ほっとできる空間です

オカムラの生産拠点のひとつ、富士事業所の食堂の改装にあたってデザインを担当しました。新食堂のコンセプトは「ほっ」です。富士事業所で日々の仕事に取り組む社員が、少しでもほっとひと息つけるような空間にしたいと考えました。全体は木を多く用いて、やさしい雰囲気の空間にしています。新食堂では、「ほっとひと息つくポイント」の「ほっとポイント」をいくつも設けています。「ほっとポイント」のひとつである「くつろぎの間」では、食後にリラックスして休憩したりすることを想定しています。ここでは、鹿児島県産材を使用した「HAGI/Kagoshima」シリーズの木質の家具を利用しています。濃い色の木目で、かつ、木の質感を感じられる家具で、落ち着いて過ごせる空間にしました。木には、心を落ち着かせ、癒す効果があります。そんな木で包み込まれた食堂で一人でも多く「ほっ」としてもらえることを願っています。

写真 商環境事業本部
首都圏第一プランニングセンター
門岩 由布子